ナオ:んーーーっ!今日も授業終わったし、帰るか―。あー変わり映えのない日常。
…ん、あれは…?
成実:ほら、早く言っちゃいなさいよ〜
れな:ええっ、でも恥ずかしいよ…
成実:恥ずかしいとか言ってる場合じゃないよ!ほら、いまナオくん一人だよ、チャンスだよ!
れな:それはそうだけど…
ナオ:こ、これは…………告白前の女子の馴れ合いだー!!!
うわーマジか!!…れなちゃん、かわいいし性格いいし、ずっと気になってたんだよな〜!ドキドキしてきたなこれ…
成実:今言わないと後悔するよ!ほら!
れな:わ、わかったよ…頑張る。
成実:そうこなくっちゃ!…おーい!ナオ!
れな:あ、ちょっといきなり……
ナオ:お、おお成実!…どうしたの?
成実:なんか、れながナオに話があるってさ!
れな:えっと……
ナオ:あ、そ、そうなんだ!話ってなに?
れな:ナオくん、実はね…………えっと……その……
成実:(ファイト!という目)
ナオ:………(どきどき)
れな:実は…………
ナオくんのこと、成実ちゃんがずっと好きでした!よかったら、成実ちゃんと付き合ってください!!
ナオ:……………………え!?えっ!?どういうこと!?
れな:ナオくんのこと、ずっと好きなんです!!成実ちゃんが。
ナオ:れなちゃんじゃなくて!?
れな:成実ちゃんが、です。…え、わからないですか?ナオくん、偏差値38ですか!?
ナオ:38どっから出てきたの……
成実:そうだよ、ナオ!女の子に告白させておいて、察し悪いんだからー。
ナオ:お前が言えることじゃねえよ!!れなちゃんに告白させてるのはお前だろ!?…いや、告白なのかこれは!?
成実:もう、すぐ熱くなるんだから…………でも、そういうとこ、好き…。
ナオ:やめろよそういうの!!
れな:大丈夫ですナオくん、言わされてるんじゃないんです!
ナオ:え、いやだって……告白みたいに言ってるけど、実際僕のこと好きなのは成実なんでしょ?物陰での告白前女子の馴れ合いも見てたし……
れな:成実ちゃんはちょっと男勝りなところもあるけど、本当は恋する乙女なんです!ずっとナオくんのこと好きなんです!
今日はこういう会話をしたとか、笑ってくれたとか、そういうこと私に毎日言ってるんです!
だから、成実ちゃんには報われてほしいってずっと思ってて!だから、これは私の本心なんです……
ナオ:……めちゃめちゃ本気の想いじゃーーーん!!えー!?
よくその熱意で他人の好きを伝えられるな!?
成実:そうだよ、れなは、本気なんだよ!!
ナオ:だからお前が言うなって!!あと、お前はだいぶ恥ずかしいこと暴露されてるぞ。
成実:だから!その本気に!答えてやって!!
ナオ:どんだけ図々しいんだよ。
れな:どうですか?ナオくん……
ナオ:どうですかって言われても……
……それは、成実の口から聞かないことには答えようがないよ。成実が、本当にどう思っているのか、直接聞かせてくれよ。
成実:……わかった、私から言えばいいのね。
ナオ:そしたら、改めて考えるから……
成実:……………………あーやっぱり恥ずかしい!!
ナオ:人に言わせておいてなんなんだよ……
れな:成実ちゃんほら〜、早く言っちゃいなさいよ〜!
成実:えーでも……
ナオ:馴れ合いの立場逆転した!!
れな:気持ち伝えないと、ナオくん一生気付かないままだよ!
ナオ:聞いてはいるんだけどねさっき。
成実:そうだね、アイツニブいもんね……まだ気付いてないよね……
ナオ:だかられなちゃんから聞いてるんだって。気付くとかいう次元じゃなく聞いてるんだよ。
成実:……よし!あたし言うよ!!
れな:がんばって!成実ちゃん!
ナオ:やっと茶番が終わったか……
成実:あの、ナオ……実は…………
ナオのこと、れなちゃんがずっと好きでした!れなちゃんと付き合ってください!!
ナオ:…………えええええええ!?え!?……そう来る!?
成実:どうかな……
ナオ:どうかなって言われても!え…れなちゃんも、僕のこと、好きなの?
れな:え、好きだけど……
ナオ:すげぇあっさり認められた!
れな:そんなことはどうだっていいんです!ナオくん!成実ちゃんと付き合ってください!!
成実:ナオ!れなちゃんと付き合って!!
れな:成実ちゃんと!!
成実:いや、れなちゃんと!!
ナオ:…………恋が交錯してるよー!!物理的に!!
いやだってさ、二人とも僕のことが好き、なんだよね?
成実:う、うん……好きだよ。
れな:好きですよ、もう、全身舐めまわしたいぐらい好き。
ナオ:れなちゃん愛情表現がちょっと特殊だよ!
れな:皮膚の上から舌で静脈をくまなくなぞりたい…!
ナオ:そこまでくるとわかんねえ。
…じゃあ直でいいじゃん!!私と付き合ってくださいでいいじゃん!!ダメなの!?
れな:ナオくん……女心をわかってないですね……
ナオ:女心でくくっていいのこれ?
れな:私にとっては、成実ちゃんが大好きなナオくんと付き合う、が第一なんです!
で、私が大好きなナオくんと付き合う、は二番目なんです!わかります!?
ナオ:わかんないよー!!優先順位が狂ってるよ!!
れな:だから、ナオくんが成実ちゃんと付き合えないなら改めて私から告白してナオくんと付き合いたいよ。
ナオ:それはそれでよくそのモチベーションで付き合えるね!?あー僕にはわからん!!
成実:ナオ、戸惑ってる……でもその表情も、好き…。
ナオ:お前はちょいちょい何なんだよ!!
れな:さあナオくん、私か成実ちゃんか、選んでください!!
成実:全部受け入れるからさ、早く選んで!!
ナオ:……これはどっちが好きかを選べばいいの?それともどっちの告白に応えるかを選べばいいの?ややこしいんだよもう!!
れな:お願いです!成実ちゃんならナオくんを幸せにできると思うから!
成実:れなちゃんの方がおっぱいが大きい!!
ナオ:お前だけアピールポイントおかしいだろ!!
えっと……僕は、れなちゃんが好きです。だから、れなちゃんと付き合いたい……
成実:……よっしゃあああああああああ!!
れな:そんな…………ううぅぅぅぅぅ……
ナオ:……反応はこれで合ってるのかな!?え、二人ともホントに僕のこと好きだった!?
成実:うん、好き……。
れな:好きですよ、ナオくんの身体の雑菌が入り込みやすいところだけ舐めたいぐらい好き……
ナオ:やっぱれなちゃん怖ぇよ!確実に害があるよ!
成実:でもれなちゃんと付き合うんでしょ?やったあああああああああ!!
れな:成実ちゃん…………成実ちゃんと…………うぅぅぅぅぅぅぅ……
ナオ:……どう対応したらいいか分からん!!
成実:ほらほられなちゃん!……ざまあみろおおおおおおおお!!ファッッッッック!!
れな:……うわああああああああん!!
成実:ヘッ!!
ナオ:二人ともどういう感情なんだよ!?
え、れなちゃん僕と付き合えるんだよ?成実は付き合えないんだよ?
成実:あ…………そっか、ナオと付き合えない…………
ナオ:気付いてなかったの!?
成実:そんな…………うわああああああああああああん!!
れな:ああああああああああああん!!
成実:うわあああああああああああああああん!!
れな:うああああああっああああっああん!!
成実:んああああああああああああああああん!!
ナオ:……やめてええええ!!二人ともマイナス部分だけに反応するのやめて!!
だってそもそも…両方を同時に叶えること出来ないんだもの!二人同時に付き合ったりしない限り……
れな:あ、その手があったね。
成実:確かに。
ナオ:ええ!?いやいやいや!!
れな:だって、私にも成実ちゃんにもメリットしかないし……
成実:いいじゃん!ね、ナオ!…何か問題ある?
ナオ:いや……あるとすれば倫理的なとこだけど……
れな:じゃあ決定ですね!……あ、でもナオくん、私より成実ちゃんをより愛してくださいね!
成実:いや、じゃあその倍はれなちゃんを愛してよ!
れな:じゃあその倍を成実ちゃんに!!
ナオ:…………精神病みそうだ。
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