アタフタ君

コント/最後の１３日の金曜日

司会
「それではただいまより、
　故ジェイソンさん、
　戒名『仮面怪人院十三金居士』の葬儀を始めさせていただきます。」
 
参列者
（司会者の声を聞いている。）
 　
司会
「なお、『１３日の金曜日に葬儀を実施してほしい』という故人の遺志により、
　命日から４ヶ月後の葬儀となりましたこと、
　関係者を代表して、お詫び申し上げます。（一礼）」
 

（壇上にはたくさんの花と遺影が飾られている。
 　遺影には仮面をつけたジェイソンが写っている。）
 

司会
「まずは、友人を代表しまして、
　『エルム街の悪夢』のフレディ様による弔辞です。」
 
フレディ
（一礼して遺影の前に立つ）
 
参列者
（一礼）
 
フレディ
「ジェイソン・・・。
　不死身だと言っていたキミが
　餅をのどに詰まらせて亡くなったと聞いたとき、
　『あー、餅って怖いんだなぁ』と思いました。
　どんな感じの最後だったのか、想像もつきません。」
 
参列者
（フレディの弔辞に耳を傾けている。）
 
フレディ
「キミ、そんなマスクをしてたけど、
　ひょっとこ踊りが得意だったよね。
　今日もひょっとこの面を持ってきてるよ。
　棺の中に入れておくから、向こうで踊ってくれ。」
 
参列者
（フレディの弔辞に耳を傾けている。）
 
フレディ
「僕ももう少ししたら、そっちに行くから。
　その時は２人でまた、たくさん人殺そうな！
　（一礼）」
 
参列者
（弔辞の内容に首をかしげつつ、一礼）
 
司会
「フレディ様、ありがとうございました。
　さて、ジェイソン様の訃報を受けて、
　たくさんの弔電が届いています。
　この場を借りて、いくつかご紹介します。」
 
参列者
（司会者の声を聞いている。）
 
司会
「『ジェイソンさんの訃報を聞き、大変驚いています。
　　日光を浴びることができないため、
　　葬儀に参加することはできませんが、
　　ルーマニアで故人の冥福を祈らせていただきます。』
 　
 　
　ドラキュラ様よりいただきました。」
 

参列者
 （司会者の声を聞いている。）
 

司会
「『ようやくこっちに来るのですね。
　　言いたいことは山ほどありますが、
　　とりあえず、お待ちしております。』
　
 　
　ジェイソン被害者の会一同様よりいただきました。」
 

参列者
 （司会者の声を聞いている。）
 

司会
「『スー・・・コー・・・
　　スー・・・コー・・・
　　スー・・・コー・・・
　　スー・・・コー・・・』
 
　
　ダースベイダー様よりいただきました。」
 

参列者
 （司会者の声を聞いている。
 　小声で「何て言ってた？」「わかんない」という声が聞こえる）
 

司会
「『エイドリアーーーーン！！』
 　
 　
　シルベスタスタローン様よりいただきました。」
 

参列者
（小声で「エイドリアン？」「エイドリアンがどうした？」という声が聞こえる）
 

司会
「さて、他にも弔電いただいておりますが、
　時間の関係で割愛させていただきます。
　お名前だけ、読み上げさせていただきます。
 　
　ジョーズ様。
 　
　Ｅ．Ｔ．様。
 　
　ゴジラ様。
 　
　地球に衝突予定の隕石様。
 　
　シベリア超特急様。
 　
　ありがとうございました。」
 

参列者
（司会者の声を聞いている。
　小声で「シベ超？」「なんでシベ超？」の声が聞こえる。）
 


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司会
「それでは、故人と最後のお別れです。
　順番に最後のあいさつをお願いします。」
 
フレディ・フレディの友人
（棺の前に立つ）
 
フレディ
「（棺の中を見て）仮面してる。」
 
フレディの友人
「アイツらしいな。」
 
フレディ
「（司会に）仮面、取ってもいいですか？」
 
司会
「はい。どうぞ。」
 
フレディの友人
（そっとジェイソンの仮面を取る）
 
フレディ
「・・・平泉成みたいな顔してる。」
 
フレディの友人
「いや、小日向文世だろ。」
 
フレディ
「いや、平泉成だよ。」
 
フレディの友人
「小日向文世。」
 
フレディ
「平泉！」
 
フレディの友人
「小日向！！」
 
フレディ
「平泉っ！」
 
フレディの友人
「小日向っっ！！」
 
司会
「あの、申し訳ありません。
　後ろの方がお待ちですので・・・」
 
フレディ
「あ、すみません。」
 
フレディの友人
（ジェイソンの仮面を戻そうとする）
 
フレディ
「あ、ちょっと待って！」
 
フレディの友人
「？」
 
フレディ
（ひょっとこのお面を取り出し、ジェイソンの顔につける。）
 
フレディの友人
「似合ってる。」
 
フレディ
「向こうで踊ってくれ。」
 

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司会
「さて、出棺の時間となりました。
　みなさま、合掌をお願いします。」
 
クラクション
「プーーーーーーーーーーーーー！！」
 

（霊柩車、動きだす。）
 

参列者
（合掌。）
 

（霊柩車、どんどん遠くなり、突きあたりを右に曲がる。）
 

フレディ
「（空を見て）なんか、雨降りそうだな。」
 
フレディの友人
「なんか、天気荒れるって予報だった。」
 
フレディ
「マジで？」
 
落雷
「（霊柩車の向かった方向で）ズドーーーーーーーーーーーーン！！」
 
参列者
「！！」
 
フレディ
「・・・雷、落ちたな。」
 
フレディの友人
「大丈夫かな・・・」
 

（参列者、落雷のあった方向を見つめている）
 

声
「落雷のショックでジェイソンが蘇ったぞーーーーっ！！」
 

（霊柩車が走って行った方向から、
　霊柩車の運転手が走って戻ってくる。
　その後をジェイソンが追いかけてくる。）
 

ジェイソン
（ひょっとこのお面をつけて、葬儀場に向かって走ってくる） 

参列者
（その様子を見て、バラバラに逃げる。）