生涯探究

雑/border〜Route139〜

下村：はー今日はいい天気だな。
 
庄野：そうだな。空気もうまい。
 
下村：しかしちょっと歩き疲れてきたな。ちょっと休憩するか？
 
庄野：お、そうだな。
 
下村：はぁ・・・よいしょっと(ドサッ)
　　　ほい発酵打算の美味しい水。
 
庄野：八甲田山じゃねぇの！？
　　　発酵するかもしれないの！？水なのに！？
 
下村：なんだー飲まないのかよ。
 
庄野：リスキーなんだよ。
 
下村：じゃあ、体操でもするか。
　　　案外リラックスできて体も元気よく動いてくれるだろ。
 
庄野：あぁそれもいいかもな。じゃあやるか。(立ち上がる)
 

　　(下村、スタンドマイクを設置)
 

下村：どうも生涯探究です。よろしくお願いします。
 
庄野：・・・は？
 
下村：いやぁ、俺らの体操と言えば漫才だよなぁ！！
 
庄野：お前にとっての漫才ってどういう位置づけなんだ？
　　　それよりもさ、今までの流れまさしくハイキングだったよな？
 
下村：茶番です。
 
庄野：ぶった切りやがった！！
　　　この日の為に大変な仕事もこなしたというのに・・・結局仕事and仕事ですかい！！
 
下村：でも、こんな一面緑の中でやる漫才というのもまた感じが違っていいでしょ。
 
庄野：下村、肝心なものがねぇよ。
 
下村：と、言うと？
 
庄野：お客さん。
 








(・・・ブウウゥゥゥン・・・)
 


下村：あれがお客さん。
 
庄野：無理あるわ！車の中の人にとって俺らは漫才師に見えているわけがない！
　　　第一、俺ら気にしてたら危ないだろ！！
 
下村：大丈夫。これだけ緑があれば目の保養に。
 
庄野：注意が逸れるから危ないってことだよ！！
　　　なんで俺らの漫才は目を疲れさせて危険なんだよ！
　　　明るくして離れてみてくださいなんて注意書きしたこと今まであったか！？
 
下村：まぁまぁ。そんなことより、ここがどこだか分かっていますか？
 
庄野：どこって、山。
 
下村：じつはここ、山梨と東京の境なのです！
　　　庄野さんの立っているのは山梨、僕の立っているのは東京です！
 
庄野：・・・で？
 
下村：で、じゃない！
　　　たとえ山梨では許されても東京では捕まることもあるんだからな！
 
庄野：大概の事は日本統一で裁かれるわ！
　　　お前は、単なる都県比較の為だけにここに来たのか！？
 
下村：いいや。そんなわけなかろう。
　　　山梨と言えば富士山！そして東京は大都会！
　　　日本一を持つ２つの都県！僕たちはそんな2つのはざまにいる！
 
庄野：・・・下村、富士山は見えるか。
 
下村：見えぬ！一面緑だ！
 
庄野：・・・下村、お前の立っている町の名前は？
 
下村：奥多摩町！
 
庄野：人口は？
 
下村：約5500人！
 
庄野：東京ドームは？
 
下村：奥多摩町の人間1人1人が10人に分裂しても全員入れる！
 
庄野：そんな状況見たくないが。
　　　・・・東京、山梨のうまみが全くないが！
 
下村：・・・うるせぇ！東京に山梨県民流入させるぞ！
 
庄野：それを見ても何も感じない東京でも山梨でもない第三者ですが？
 
下村：それなら、東京都民をほうとう鍋に流し込む。
 
庄野：東京都民全員にふくろだたきにあってしまえ。
 

　　　
 
　　　(プー！プー！プー！)
 

下村：どうもありがとうクラクション！！
 
庄野：それ多分俺らに対してじゃなくて渋滞に対する文句だぞ。
　　　で、その原因を作っている目の前で停車してるこのおっさんは？
　　　こんな俺たちのネタを真剣に聞いてくれたのか？
 
下村：いえ、さっきからハンバーガーがまだかと言っています。
 
庄野：・・・ドライブスルーじゃねぇよ！！どうしてそういう間違いをする！？
　　　この一面オールグリーンにモスバーガーの幻想でも抱いたか！？
 
下村：早く動いてくださーい。さすれば、この道もオールグリーンですよー。
 
庄野：やかましいよ！
 

　　(ブーン・・・ブーン)
 

下村：さぁ動きだした！みなさーん生涯探究です！よろしくお願いします！！
 
庄野：何この逆選挙活動状態は？
 
下村：どうも！私が東京都、相方が山梨にいる！こんなコンビ見たことない！！
 
庄野：こんな自己アピール見たことないわ。
 

　　（道路作業員ちゃんと仕事しろおぉぉぉおん・・・）
 

庄野：案の定、漫才師と認知されていないじゃないか！！
　　　すいません！ホントは工事なんてありません！！
　　　そしてこんなドップラー効果見たことない！
 


　　　(ブーン、ブーン、ピタッ)
 


庄野：あれ？また止まった。そしてこっち見てるぞ。
 
おっちゃん：いやぁ、こんな辺境でヘンテコなことしてるなぁ！
　　　　　
庄野：下村、辺境って言われたぞ。偉大なるはざまは辺境だってよ。
 
下村：・・・
 
庄野：流石に一般論には返すことばも、
 
下村：僕ら・・・無一文なんです・・・
 
おっちゃん：おっしゃ！東京まで送ってやるぜ！(ブーン・・・)
 
庄野：・・・俺らはヒッチハイクでもねぇんだよぉぉ！！
　　　スタンドマイク持った無一文ってなんだよおぉぉおん！！
 

(スタンドマイクを残し帰宅)