アップルゲンガー
コント/勝ちと負け
紙:なぁ、そろそろ勝ち負け決めようぜ。
石:は?何を言ってるんだ?
ハサミ:どういうことです?
紙:だから、勝ち負けを決めよう、って言ってんだ。俺たちずっと勝負が決まらないままだろ。
石:そりゃ、紙と石とハサミが勝負したらあいこに決まってんだろ。
ハサミ:いや、でも面白そうですね!勝負受けて立ちましょう!
石:正気かよハサミ。俺らは3人で勝負したところで、勝ち負けはつかないんだぜ?もういいじゃんかこれで。
紙:それが納得いかないんだよ。俺はこんな曖昧な三角関係のまま続けていたくないんだ!
石:修羅場みたいに言うなよ。
紙:まぁ、俺とハサミは勝ち組だけどな。
石:どういうことだ?
紙:俺もハサミも文房具だろ?…つまりそういうことだ。
石:仲間外れにされた俺負け組みたいな!?やめてよそういうの。一応俺はお前らに仲間意識あったんだぜジャンケン仲間として…。
紙:つーことで俺らの勝ちだ。
石:これ勝負でもなんでもないよ!もともとの種族の問題!
紙:じゃあ仕方ない、あらためて勝負すっか。
ハサミ:でも勝敗どうやってつけるんです?ジャンケンじゃ勝負はつかないというか時間の無駄ですし…。
紙:良い質問だ、ハサミ。いいや、チョキ。勝負だが、こうなったらジャンケンで勝負をつけよう。
ハサミ:…私の言うこと聞いてました?
紙:じゃああっちむいてホイにしよう!
石:もっと無理だろ!ジャンケンで勝敗ついてからの競技やん!
紙:そうか……。…ジャンケンポン!不意打ち必勝!
石:!?(グー)
ハサミ:!?(チョキ)
紙:(パー)
…勝負決まらずか。
石:当たり前だろ!そんな突然ジャンケンしたところで俺らはそれぞれグーとチョキとパーにしかならん!
紙:じゃ、じゃあこうしよう!チョキってさ、なんか響きがチョッキっぽいじゃん!だから石と紙とチョッキでジャンケンしようぜ!
ハサミ:えっ
石:まさかのハサミがリストラ!?
紙:ようし、ジャンケンポン!
石:(グー)
紙:(パー)
チョッキ:(パー)
紙:…勝負ついた!よっしゃ勝った!!
石:いやこれ今思えばチョッキってほぼパーの働きしかできねーじゃねぇか!チョッキと紙にくるまれたらそりゃ俺負けるわ!当然だわ!
紙:負け惜しみはよしておくれよ…ふふっ。
石:なにその勝ち誇った表情!?負け惜しみじゃなくてゲームバランスがおかしいって言ってんの!
ハサミ:というか私はいつまで参加できないのでしょう…
紙:もうチョキじゃない奴は黙ってろ!
ハサミ:は?…ちょっと紙、こっちこい。
紙:…え?
ハサミ:だからちょっと来いって。(紙をどこかへ連れ去る)
紙:いやああ目が怖いいい!!
(2時間後)
ハサミ:ふう。戻ってきました。
石:おかえり。紙がいないけどいったいどうした?
ハサミ:ここにいますよ。(クラッカーを放つ)
パーン!!! (散る大量の紙ふぶき)
石:紙が紙ふぶきになったぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
紙ふぶき1:小さくなったぁ!? 紙ふぶき2:元にもどせぇ! 紙ふぶき3:アイルビーバック。
石:細かくなってもしゃべれんのかい!てかむしろいつもよりうるせぇ!
ハサミ:燃やします?
紙ふぶき4:!?
石:どんだけ紙を恨んでるの!?きっと紙ももう反省してるだろうから許してやれよ。
紙ふぶき5:そうだよ反省してる! 紙ふぶき6:次は勝負の仲間外れにしないから許して! 紙ふぶき7:指原ってもうAKBじゃないってマジ!?
石:一つだけ許される気さらさらない奴いる!
ハサミ:…わかりましたよ。もう許しますよ。
石:マジか!
紙ふぶき8:ありがとうハサミ! 紙ふぶき9:ありがとう! 紙ふぶき10:豆乳を投入!
石:許しが出たから紙すき屋呼んでくる。
(1時間後)
紙漉き屋:紙漉き終わりました。
紙:ふう、戻れたー。ようし、勝負するぞ!
石:覚えてたか…。
紙:まず俺ら、ジャンケンの方式で決めようとするからダメなんだよ。
俺らがジャンケンしてもずっとあいこだ。だから違う競技で勝ち負けを決めようと思ってたんだ。
石:なるほどな…って先言えよ。なんでさっきジャンケン無駄打ちしたんだよ。
ハサミ:ではオセロとかどうです?
紙:いいねオセロ!やろうか!
紙漉き屋:…あのーすみません。紙漉きの代金、1万5千円になります。
3人:えっ。
…
この勝負に負けたやつが払おう!
紙:こうなっちゃ絶対に負けられねえ!
…おい紙漉き屋!悪いね、このオセロは三人用なんだ!
紙漉き屋:やかましいわ!
(30分後)
紙:(負けるわけには!)
ハサミ:(いかないんだ!)
石:(なぜならこの三人用オセロ、1万5千円だったからな!)
紙漉き屋:(じゃあその三人用オセロでいいから譲れや)
3人:うおおおお!
◎◎◎◎◎◎◎
◎◎●●●○○●
●○◎◎●○●●
●○○◎○○◎●
●◎●○◎●●●
◎○○○●◎◎●
◎○○●●◎◎●
○○○○○○○●
石→●21個 紙→○21個 ハサミ→◎21個
3人:ど、同点だとぉ!?
ハサミ:どうします?
紙:じゃあ他ので勝負決めるしか!オセロとかじゃなくて引き分けが存在しないゲームで!
石:黒ひげ危機一髪とか…!
紙:それだ!
紙漉き屋:じゃあ僕はこのオセロもらって帰りますね。
(10分後)
石:うおおおお!(プスッ)
ハサミ:うおおおお!(プスッ)
紙:うおおおお…あれ?刺せるとこもうなくね?
石:うそだろ?
…ほ、本当だ…全部剣が刺さってるのに黒ひげが飛ばない…
3人:ど、同点だとぉ!?
石:これ俺ら呪われてるんじゃ…
ハサミ:なんなんでしょうこれは…次は、早押しクイズにしません?
紙:いいね!
石:ならさっそくネットで問題を漁ろう!
(1分後)
・長方形ABCDで、点PはAを出発して、辺上を毎秒1cmの速さでD、Cを通ってBまで動く。点PがAを出発してからx秒後の△ABPの面積をy平方cmとするとき、次の問いに答えなさい。
ただしAB=4cm、AD=5cmとする。
(1)0≦x≦5のとき、yをxの式で表わしなさい。
3人:ど、動点だとぉ!?
全然わからない…
石:なんかもう何やっても勝敗つかない気がする!!
紙:むしろジャンケンやったほうが勝敗つくんじゃねーか!?
石:なんでそうなんだよ!それは絶対にねーだろ!?
ハサミ:いや、全力でジャンケンしたらありえるかもしれないですよ…!
石:ハサミまでそう思うか!?
ハサミ:だって全力ですよ!?全力でいったら結果が変わることだってありますよ!!
石:なんなんだその意味わからない自信!?
紙:と、とりあえずものは試しだ!やってみようぜ、ジャンケン!時間がかかるものじゃないし!
石:そ、そうだな…そういやここまでオセロ、黒ひげ、クイズで勝敗が決まらなかった…もしかしたら今なら逆にいけるかもしれねえな…!
(あいこになるなんてわかりきってるけど、なぜだか3人が一心同体となった今、勝敗がつく気もする…このわずかな俺の勘にすべてをかけてみっか!)
ハサミ:ようし、いくぞ!
3人:ジャンケン・ポン!!!!!
(2時間後)
3人:あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!
翌日、3人は紙漉き屋にオセロを持ってかれたことに気づき、
虚無感に包まれなにをしたらいいかもわからずただただ黒ひげに剣を抜き差ししていた。
最高 | 最低 | 標準偏差 | お気に入り | 採点人数 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
70 | 42 | 9.59 | 7名 | 56.43 |
100 | |
90 | |
80 | |
70 | 70(鋳☆いんがむ) |
66(きょくにゃん) | |
64(井島) | |
60 | |
54(ブロッコリーとチャーシュー) | |
50 | 50(ジンガー) |
49(FAN) | |
42(ザブマリン) | |
40 | |
30 | |
20 | |
10 | |
0 |