理系文系

漫才/君はあの影を見たか



理「どうも理系文系です、よろしくお願いします」
文「よろしくお願いします。さて、めっきり暑い季節になってきましたね」
理「ですね」
文「こーゆー時期はやっぱり怖い話とかをやるもんですよね」
理「確かに」
文「なんかそーゆー系統の話、持ち合わせてませんか?」
理「怖い話ですか。一応それっぽいのはありますが」
文「おお。じゃあちょっとそれ、話してみてくれませんか」
理「いいですよ」
文「ではお願いします」
理「えー、アレはそう、ちょうどこんな風に蒸し暑い日のことでした。
  仕事が長引いて帰りがすっかり遅くなってしまい、夜の帰路を一人で歩いていたんですケド」
文「ほう」
理「歩いている途中に私はふと、
  一見するとなんだか良く分からないモノが道に落ちているのを発見したのです。
  そこそこの大きさでしっかりと目に付くのに、遠目ではイマイチなんなのか分からない」
文「ほうほう」
理「気になってそれに近づき、拾い上げてみるとなんと――、それは人間の腕だったのです」
文「おお……、ゾクッとした……」
理「そのうえ皮膚が剥げていて、筋肉や血管がむき出しのグロテスクな状態で」
文「コレはマジ、本格的に怖いですね……」
理「んでもってそれを取り敢えずカバンにしまいまして」
文「と思ったらちょっと待って! 何で拾ったんですか!?」
理「え? だって、落し物は交番に届けないと」
文「交番は落し物以外の事件として扱いますよ!?」
理「まぁそんな調子で、いくつかドナーとして売れそうな人体の一部を拾っていってるときに、」
文「一個だけじゃなかった!? そして非合法の儲け話を思いつかないで下さいな!」
理「ポンと何者かに肩をたたかれまして。振り返ってみると……」
文「と?」
理「パーツの足りない人体模型が私の方に迫って来ていたのです!」
文「キャー! 怖い部分はちゃんと怖いです!」
理「で、このとき何故か分からないんですが、私の頭に妙なコトがよぎりまして」
文「なっ、なんですか?」
理「学校の怪談って、学外に出張してイイのかな?」
文「本当に何故よぎった!
  確かに人体模型の出現するべき場所ではなかったかもですが!」
理「そしてうめき声を発してくるワケです。
  『一指腸……二指腸……三指腸……………………………………十一指腸……、
   …………一指腸足りなぁい!』」
文「怨嗟が他の怪異のパクリです!?
  ってか、どうやったらそれ足りなくなるんですかね! なくす経緯を知りたい!」
理「あまりの状況に私は恐れおののいて、」
文「やっとですね!」
理「持っていたモノを投げて付けてしまい、」
文「本当、怖い話の登場人物的なリアクションが来るまで大分かかりましたよね!」
理「中でも腕はまるでロケットパンチのように飛来し、」
文「そしてその描写は要らないです!」
理「その隙にダッシュで逃亡。しかし相手もジャケットをひるがえして追いかけてくる!」
文「ジャケット着てたの!? 皮膚着てないのに!?」
理「まぁでもそれ以外の服は着てない、せいぜい変態レベルの着衣量だったんですが」
文「露出レベルは変態を通り越してますケドね!」
理「そんな怪奇なビジュアルの人体模型から私は必死で逃げてたんですが、」
文「怪奇以外の要素もある気はしますが」
理「自分のおなかの中から腸を取り出し、投げ縄の要領でコチラに投げてきまして」
文「なんて方法で自分のスプラッタ性能を有効利用してんですか!」
理「まぁ、ぶん回す勢いがあまって小腸バラバラにちぎれちゃったんですが」
文「一指腸なくすプロセス発覚!」
理「んでそれにあっけにとられている間に、ほとんど追い付かれてしまい」
文「あ、ドジ」
理「とっさに逃げ出そうとしたんですが腕を掴まれてしまい、口を開き、『待ちな……』」
文「喋った!?」
理「『待ちなさい……、お嬢さん……、落し物…………♪』」
文「歌った!?」
理「森のくまさん効果によってフラグが発生し、」
文「人体模型相手に!?」
理「吊り橋効果もありましたし、」
文「自作自演ですケド!?」
理「私の筋肉フェチも加わって、」
文「むき出しの筋肉まで愛でないで!」
理「こんなラブい話・出会い編となったワケですが」
文「あたしは怖い話を発注したのに、なんでそんな話になりましたか!
  もういいです」
 
理&文「「どうも、ありがとうございました」」

 

〜採点結果〜

最高 最低 標準偏差 お気に入り 採点人数 平均
80 22 15.92
 
9名 53.67



〜詳細〜


★=お気に入り
100  
   
   
90  
   
   
80 80(鋳☆いんがむ)
   
  72(山下)
70  
   
   
60 60(哲夫)
   
  51(FAN)・54(井島)・54(ブロッコリーとチャーシュー)
50 50(ジンガー)
   
   
40 40(きょくにゃん)
   
   
30  
   
  22(ほしの)
20  
   
   
10  
   
   
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