kissしてシクラメン

漫才/笑うハンミョウ



峰岸:どうもー、kissしてシクラメンです! 女の子二人で漫才やってまーす!
 
花笠:ハッハッハッ、食事しながらで悪いな! 花笠オトコマエだ! キュウリが美味い!
 
峰岸:あんた馬鹿じゃないの!? 何で漫才だと言うのにいきなりキュウリボリボリやってんのよ!?
 
花笠:男前は時と場所を選ばん!
 
峰岸:どんな言い訳よ!? とにかくそのキュウリは迷惑だから早くお腹の中にでもしまっちゃって!
 
花笠:ところで、峰岸よ! 私はドライブに行きたいぞ! 峰岸の運転でな!
 
峰岸:あぁ良いねえ、ドライブ。それと、味噌つけてキュウリ食べるの止めてもらえる? 私モロキュウ食べてる人と漫才したくないなあ。
 
花笠:食うか?
 
峰岸:後でね! 今じゃなくてね! でもドライブかー、私運転は出来るんだけど道に不案内でさー。
 
花笠:そうか! ならば私が峰岸のためにナビをやろう! いや、カーナビになろう! 人間をやめよう!
 
峰岸:やめないでやめないで!? 私は人間のままのオトちゃんが好きだよ!?
 
花笠:いやいや峰岸よ、私がカーナビになってみろ。それはそれは運転が楽しくなるぞ!
 
峰岸:そ、そうかなあ?
 
花笠:じゃあ私がカーナビに生まれ変わるから、峰岸は道に迷うと車内で練炭を炊く癖のある運転手をやってくれ。
 
峰岸:そんな精神的にギリギリな人やらされるの!? ちょっと遠出したらすぐ一酸化炭素中毒で死ぬよそいつ!
 
花笠:いつでも練炭が炊けるようにグローブボックスに火鉢が入れてあるぞ!
 
峰岸:準備万端じゃん! いつでもどこでも自殺する気じゃん! もう、私コントの中でも自殺なんかしないからね! いい加減コント始めちゃうよ!?
 
   あー、念願の新車を買ったぞー! 早速カーナビを使って遠出しよう! カーナビの電源ぽちっとな。
 
花笠:ハーッハッハッハッ、意識を電脳世界に飛ばされたまま肉体が消滅した私がナビゲートをする、男前カーナビだ! よろしくな!
 
峰岸:思ったよりハードな設定だった! 攻殻機動隊みたい! てゆーかそもそも男前カーナビって何よ。声優カーナビみたいなものかな。
 
花笠:男前カーナビとは、私の音声案内に従って運転している間、知らず知らずのうちに男前スキルが上がっているステキなカーナビだぞ!
 
峰岸:最低にいらない機能だ! 私女だし、そんな訓練したくないし! まあ搭載されてるものは仕方ないや、使ってみよう。
 
花笠:さぁて、では道案内を開始するぞ! 目的地を大きな声ではっきりと言ってくれ!
 
峰岸:あ、音声認識機能があるんだね。そうだねー、夏だし海に行きたいな! 湘南海岸公園で!
 
花笠:声が小さい!! 男が廃るぞ!!
 
峰岸:男前道場始まっちゃった!? ぃよーし、声量のことなら漫才師として受けて立ってやる。湘南海岸公園!!
 
花笠:覇気を込めろ!!
 
峰岸:湘・南・海・岸・公・園ッッ!!!
 
花笠:よーし、良い覇気だ。これだけの覇気と闘気があれば、熊程度なら死に至らしめられるだろう。
 
峰岸:男前スキル上がっちゃった! 必殺技みたいに言っちゃったのが良くなかったのかな……。
 
花笠:それでは、男体山に向けて音声案内を開始するぞ!
 
峰岸:うぉい!? 全然違うじゃないの! あんた私の何を聞いてたのよ!? どうしていきなり栃木県にある女人禁制の山に案内されてるの私!?
 
花笠:ハッハッハッ、良いか、全ての道は男体山か男鹿半島に通じるんだ。
 
峰岸:通じてるわけねーだろ! 何だその妄想!? 私は夏だから海に行きたいの! 目的地を湘南海岸公園に変えてよ!
 
花笠:仕方ないなあ。では「湘南海岸公園」に向けて音声案内を開始するぞ! 実際の交通規制と道路標識など無視して、己の信じる道を突き進め!
 
峰岸:あんた本当にカーナビかよ!? 安全運転で行くからね。じゃ、出発進行ー!
 
花笠:ポーン。100メートル先右方向だが、男ならば人の指図なぞ気にせずまっしぐらだ!
 
峰岸:……女だから右に曲がるよ。暑苦しいなこのカーナビ……。
 
花笠:ポーン。良いか峰岸よ。踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。迷わず行けよ、行けばわかるさ!
 
峰岸:知らないよ! いきなり運転中にアントニオ猪木みたいな人生訓は止めてよ、道路に関係ないこと言わないで!
 
花笠:ハッハッハッ、で、さっきのところ左折だったんだが、この道を行けばどうなるものか。
 
峰岸:間違った目的地に辿り着くんだよ! 「どうなるものか」じゃないわよ! ミスコースしたんなら、新しくルート検索してよ!
 
花笠:では、新しい道を探しているぞ。……うん、掃除機の中でゴミを吸う職業はどうだ?
 
峰岸:新しい道って、私の新しい人生のことじゃないわよ!? そしてそんな職業は存在しない!
   一番人力であっちゃいけない家電製品よ掃除機って! 私は漫才をしていたいの! もう、道案内をして!
 
花笠:ふむ、分かった。ならば、この先200メートル先左折だぞ! ところで峰岸よ、海なぞ行ってどうするつもりなんだ? 砂浜走るのか?
 
峰岸:やたら足腰鍛えられそうだな! 違うよ、単にドライブがしたいの。「夏だなー」って感慨に浸りに行くくらいよ。
 
花笠:そうか! 夏らしさを感じに行くのは良いよな! 山猿の鳴き声、氾濫する川の激流、落盤する岩石の轟き……。
 
峰岸:海行くって言ってんだろ! どんな険しい山想像してんのよ! ……あっ、男体山だな!? 男体山を想像してるわねあんた!?
 
花笠:いやいや峰岸よ、木立に響き渡る虎の鳴き声が聞こえるぞ。ほら、目を閉じてごらん……?
 
峰岸:事故るわ! 運転中に目なんか瞑れるか! そして虎の鳴き声なんて聞こえたら早々に下山するわ!
   もう、男体山は行かないわよ! 万一辿り着いたとしても私は車を降りないからね! 左に曲がるわよ!
 
花笠:ポーン。おっと……ここから300m先、1キロの渋滞があるぞ! 今別ルートを検索している!
 
峰岸:わ、便利な機能あるじゃん! 渋滞を自動的に回避してくれるのね。どう、見つかりそう?
 
花笠:ああ、今の道より困難な道を探しているぞ! 男なら崖を登りたいもんな!
 
峰岸:空いてる道探せよ! そしてたとえ私が男でも崖は嫌だよ! もう崖とか車と無関係なルートじゃん! 他の道探して!
 
花笠:そうか、それならばこれより峰岸は100メートル先を右に、私は100メートル先を左に、二手に分かれよう。
 
峰岸:なぜ二手に分かれる!? いやいや、そもそもあんたカーナビの設定どうしたのよ! 二手に別れるも何も、私もオトちゃんも車の中だからね!?
 
花笠:ハハハ、私はカーナビだから車から降りられないが、峰岸は人間だから車から降りられるだろう?
 
峰岸:何言ってんのあんた!? じゃ私ここから徒歩!? 意味わかんないよ! なんでドライブの漫才なのに車から降ろされなきゃいけないのよ!
 
花笠:不安そうな顔をするな峰岸よ、私はきっと帰ってくるよ。
 
峰岸:そんな男前な台詞はいらないよ! そんな心配はしてないの! 私を取り残して車が勝手に行こうとするのが問題なの!
   もう! 私を一人にすると、練炭炊いて死ぬわよ! 私に死なれたくなかったら迂回ルートを提示しなさい!
 
花笠:そうか、自殺すると言われたら仕方ないな、特別に同行して貰おう。では100メートル先を右折のち、東名高速道路の料金所だぞ。
 
峰岸:まったくもう……高速乗るのね、分かったー。
 
花笠:後は20km道なりに進んでもらおうじゃないかボリボリ!
 
峰岸:あ、きゅうりまだ残してたなお前! ……やれやれ、高速乗っちゃうと後はまっすぐだから楽だな。運転退屈だなー。
 
花笠:それでは、男前クイズを始めようか!
 
峰岸:私の独り言の馬鹿!
 
花笠:このクイズは回答しているうちに、みるみるうちに男前スキルがついていく不思議なクイズだぞ! 具体的に言うと声が低くなるぞ!
 
峰岸:嫌過ぎる! 男前スキルが上がる以前に女子力が落ちる気しかしないよ!
 
花笠:それでは男前クイズ第一問だ! ダダン!
 
峰岸:やるのか……。
 
花笠:あ、今の「ダダン」の「ダン」は「男」という意味があってな。
 
峰岸:うるさいよ! それ以上説明しないで! 悲しくなるから!
 
花笠:ではクイズだ! 道に子犬が捨てられているぞ! 君はその子犬を連れて帰るか! それともそのままにしておくかな!
 
峰岸:あ、でも結構悩む質問ねこれ。可愛いから連れて帰りたいけど、そのままの方が良いかなあとも思っちゃうし。
 
花笠:連れて変えるなら右車線、そのままにするなら左車線に変更だ!
 
峰岸:口頭じゃ駄目なの!? 高速道路の車線変更は危ないんだぞー、もう。じゃあ右車線に行くよ。拾う。
 
花笠:犬を拾った貴方、おめでとう、男前だな! やはり男前には、小さなものをほっとけない心は欠かせないよな!
 
峰岸:あー、正解しちゃったよ……。全然嬉しくないや……。
 
花笠:男前の峰岸には、商品として車の速度を時速50km速くするぞ!
 
峰岸:ウォッ!? うわ、思わずひっくい声出しちゃったけど、超危ないわ! 今まで100kmで走っていたとしたら150km!? 免停食らうわよ!?
 
花笠:と言うわけで、湘南海岸に着いたぞ。いやあ、海だな!
 
峰岸:ほらもう到着しちゃった!! 滅茶苦茶なスピード出すから!
   って、何これ!? 全然ドライブ楽しめた気がしないよ! 道案内どころか余計なことばっかやるし! 妙に男前スキルが上がっちゃったし!
 
花笠:そうか! では今度はその上がった男前スキルで女子達をナンパしに行こう!
 
峰岸:やだよ女だから! いい加減にして!
 
二人:ありがとうございましたー!

 

〜採点結果〜

最高 最低 標準偏差 お気に入り 採点人数 平均
90 60 8.66
8名 72.38



〜詳細〜


★=お気に入り
100  
   
   
90 90★(ステーヴンV世)
   
   
80  
  78(井島)
  74(ほしの)・74(ジンガー)
70 70(FAN)・70(哲夫)
   
  63(きょくにゃん)
60 60(槍沢 雑)
   
   
50  
   
   
40  
   
   
30  
   
   
20  
   
   
10  
   
   
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