理系文系

漫才/恋へ



理「どうも理系文系です、よろしくお願いします」
文「よろしくお願いします。
  いやぁしかし、最近めっきり出会いが無いんですよねぇ」
理「ふむ、出会いが」
文「全くもって無いのです。
  あたしは愛とか恋とかそーいったモノに発展しそうな出会いが欲しいのです。
  一体どうしたらそーいったロマンチックなシロモノに遭遇できるのでしょうかねぇ?
  なにか良い経験談みたいなのとかって、ありませんかね?」
理「んー、良い経験談と言えるのかどうかは分かりませんが、
  ならばつい先日に私の巡り合った出会いのお話でもしましょうか」
文「おお、是非聞かせて下さいな」
理「では。その日、仕事の帰りだったんですが私はのどが渇いていたので、
  お茶を求めて自動販売機を利用しようと思いつつ街を歩いていたのです」
文「ほう」
理「で、イイ所に自販機がありまして、
  100円入れてお茶のボタンを押し、缶を取りだした所で――」
文「ほうほう!」
理「それが何故かサバ缶だったコトに気が付きまして」
文「…………え?」
理「なんだこの状況はと」
文「全くですよ!?」
理「コッチには缶切りもないんですよと」
文「そーゆー問題!?」
理「そう思いつつもう一度100円を投入。ボタンプッシュ」
文「おおっと!
  どうしてこんなクレイジーな自販機を連チャンで利用しようなんて気になりましたか!?」
理「いや、ココで引き下がるのもなんかちょっと癪じゃないですか」
文「だからと言って一方的に無駄にもう100円消費してまでリベンジに挑まなくても……」
理「んでもって次に出てきたのはご飯の缶詰め」
文「そのうえ返り討ち! 今度は主食で来ましたね!」
理「軽い夕飯が手元にそろってしまった」
文「お茶を求めていたのにゲットしたのは開けられず食べられないディナーセットって……」
理「こうなればお茶が出てくるまで」
文「まだチャレンジ!? もうやめて下さいって!
  自販機の製作者も意図していたのか定かでない商法に勝手に引っ掛かってますよ!」
理「100円投入、ボタンプッシュ、お味噌汁の缶詰め」
文「言わんこっちゃない」
理「100円投入、ボタンプッシュ、カップケーキの缶詰め」
文「デザート! 着々とディナーの完成度が増していってる……!」
理「100円投入、ボタンプッシュ、割りばしの缶詰め」
文「何故にそれを缶に詰めましたか!」
理「100円投入、ボタンプッシュ、缶切り出現! ちょうどいいタイミング! グッジョブ!」
文「いやいや!? そもそも缶切り必要な状況作ったのこの自販機!
  コレは褒められるべきでない自作自演のエセ・グッジョブ!」
理「缶切り投入、切り込みプッシュ、缶詰類オープン!
  ここいらで一旦夕飯タイムを挟みつつ」
文「食事始めちゃいました!?
  家帰ってからにして欲しかった所ですよそこは!」
理「もぐもぐ、100円投入、もぐもぐ、ボタンプッシュ、もぐもぐ」
文「咀嚼音だまりなさいな! 省略してイイ描写ですよ!」
理「と、ココでやっとお茶出現!!」
文「おお! 謎の感動!」
理「待ちわびたお茶に口をつけ、そしてふとあるコトに気がつきます。
  『このお茶普段から飲んでるケド今日は段違いに美味しい……?』」
文「それは十中八九、食後だからですね!」
理「なんとまぁ、粋なはからいをしてくれるじゃありませんか……!」
文「………………え?」
理「こうして私は恋に落ちました」
文「出・会・い・の・相・手・が・ま・さ・か・こ・の・自・動・販・売・機・だ・っ・た・で・す・と・!?」
理「『結婚しましょう』と」
文「そして話が急展開過ぎる!」
理「そう言って100円投入、ボタンプッシュ、」
文「まだ100円玉の消費を止めないだと!?」
理「指輪ボックスが登場!」
文「この状況で着々と恋愛エピソードが進行するなんて!」
理「『コレ…………、もしかして給料3カ月分の…………』」
文「自販機単位でそれは安物ですよ!」
理「プロポーズを受けて私は『はい……、お受けします』との想いをこめて100円投入」
文「何? 
  いつの間にお金を入れてコミュニケーションを取る妙なシステムが出来上がったの?」
理「こう、きっかけが無いと応答してくれないシャイな所も萌えますよね?
  ときめきポイントじゃないですかー」
文「いやむしろ、タチの悪いホストが引っかけてきてるようなカンジを彷彿とさせるんですが……」
理「こうして結婚式にまで漕ぎ付けます」
文「順調なのにココまで羨めない恋バナは初めてです!」
理「ウェディングケーキは自前で用意してくれるそうで」
文「もしやさっきのカップケーキと同じモノでは!?
  缶切り入刀になっちゃいますよ!」
理「あとライスシャワーも自前で」
文「炊けてる炊けてる! そんなん投げたら会場の皆さんがベッチャベチャに!」
理「そしてそのまま式場から二人を連れだしていく後部バンパーに、
  それまでの空き缶をくくりつけ、さも私たちの出会いを物語るかのように仕立て上げるのです!」
文「リサイクル的に上手い備品の運用が地味になされてるのがなんか腹立ちますね!
  もうそのままハネムーンにでも行ってしまえばいいです!
  自販機と外国へ新婚旅行に行って、笑われてしまえばいいのです!」
理「あ、でもそのハネムーン的なモノは残念ながらそれは不可能なんですよねぇ」
文「どうして?」
理「だって確実に空港の金属探知器、引っかかっちゃうじゃないですか」
文「なんでそこだけ現実的に考えるてんですか! もういいです」
 
理&文「「どうも、有難うございました」」

 

〜採点結果〜

最高 最低 標準偏差 お気に入り 採点人数 平均
81 38 12.71
★★
14名 60.36



〜詳細〜


★=お気に入り
100  
   
   
90  
   
  81★(kenzip)
80  
   
  72(ブロッコリーとチャーシュー)・74(ジンガー)
70 70(哲夫)
  67(ザブマリン)・68(ほしの)
   
60 60(山下)・60(オールA)
  57(FAN)・58(銀沙灘)・59★(秦エフラム)
   
50  
   
  43(井島)
40  
  38(きょくにゃん)・38(槍沢 雑)
   
30  
   
   
20  
   
   
10  
   
   
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