kissしてシクラメン

漫才/Made in Maid



峰岸:どうもー、kissしてシクラメンです! お願いしまーす!
 
花笠:ハッハッハッ、女子二人にこの人数、多勢に無勢か! 面白い!
 
峰岸:いきなり何言い出してんの!? あんたお客さんと戦うつもりなのかよ!
 
花笠:峰岸よ……私は、お前のためになら戦っても良いと思っている。
 
峰岸:思うんじゃないよ!? 困り果てるわ! いやいやオトちゃん、ちゃんと自己紹介しようよ。
 
花笠:そうか、峰岸がそう言うのなら、私はその申し出を許諾しよう。
 
峰岸:うっわ面倒な子。えーっと、じゃあお言葉に甘えて。私の名前は峰岸喜久子と言います。射手座のAB型で、趣味は古城巡り! よろしくお願いします!
 
花笠:ああ峰岸よ、これからも頑張っていこうな! よろしく!
 
峰岸:違ぇよ! 何もオトちゃんに対して言ったんじゃないよ! お客さんに言ってるの!
 
花笠:そうか、でもこれからも二人で頑張っていこうな!
 
峰岸:オトちゃんのそういう友達想いなところ大好き! でも今はやめろ!
   ほら、オトちゃんも自己紹介しないと、みんな女の子だって思ってくれないよ。
 
花笠:それは困るなあ、ならば私も自己紹介させて貰おうか。私の名前は花笠オトコマエ、好きなものは心躍る闘い、嫌いなものは女の涙だ! よろしくな!
 
峰岸:もう女の子どこ行ったんだよ!? ほんと性別以外は恋愛対象だわ! まあね、一応女の子二人で漫才してるんですけどね。
 
花笠:峰岸よ、漫才中で実に申し訳ないのだが、相談があるんだ。
 
峰岸:何々問題発生? いいよ、オトちゃんの相談なら何だって聞いちゃうよ!
 
花笠:あらかじめ伝えておこう、これは金儲けの話だ!
 
峰岸:潔ぇ! まっすぐな目をしてるよ! 良いよ良いよ、お金儲け好きだよ私。遠慮なく言ってよ、どんな話?
 
花笠:峰岸よ、近頃は、淑女が小間使いに扮装し客人を持て成す喫茶店があるだろう?
 
峰岸:それもうちょっとスッとした表現無い? メイド喫茶のことかな?
 
花笠:そうだ、メイド喫茶だ。峰岸にはあらかじめ伝えておこう、私は週二で通っている!
 
峰岸:すっげえ通ってた! 良く堂々と言えますね! ま、まあ、メイド喫茶に行く女の子は確かにいるけどさ。それで?
 
花笠:メイド喫茶に通ううちに私は気づいたんだ、この店はいつも笑顔に満ち溢れている。従業員も利用者も、皆笑顔なんだ。
   そして私は思った……この笑顔は、金になる!
 
峰岸:ゲスい! さっきから全然包み隠さないね! ってことは、オトちゃんはメイド喫茶がやりたいの?
 
花笠:その通りだ。しかし、私とて馬鹿ではない。他の競合相手と同じ事をしても勝負にはならないだろう。他店と違うというところを作らねばならない。これが、マッケンローだ。
 
峰岸:マーケティングかな? なんか膝裏へのショートレンジラリアットみたいなものと間違えてるけど。
 
花笠:そこで私は考えた、適材適所と言う言葉がある。そうだ、私にしか出来ない喫茶店をやろう。そして店名が決まった、メイド喫茶「花笠部屋」だ!
 
峰岸:うわあ何か駄目な予感しかしない! 何その相撲部屋みたいな名前!? 苗字が真正面に来てるじゃねーか!
 
花笠:こんな店を両国に展開しようと思うんだ。
 
峰岸:じゃあもう関取雇うしか無いじゃん! メイド要素いらないじゃん! いやいやオトちゃん、大丈夫なのそんなので?
 
花笠:大丈夫だ峰岸、私の目を見ろ!
 
峰岸:澄みわたった綺麗な目してる! 逆に不安! これが本気だということがとても良く分かって、逆に不安!!
 
花笠:まだ私を信用してくれないのか……私は悲しいぞ? では峰岸よ、コントで一度私の店に来店してみるが良い! いやあ漫才って便利だな!
 
峰岸:わ、分かったよ。じゃあ行くよ? えーと、カランコロンカラーン、ここがメイド喫茶「花笠部屋」かー。
 
花笠:待て峰岸! 私の店はそのような音のドアではない!
 
峰岸:え? そ、そうなの? じゃあ、「ウィーン」?
 
花笠:違う違う、そうじゃ、そうじゃなーいっ!
 
峰岸:何か鈴木雅之みたいに否定された! 男前! って、じゃあ何て音のドアなのよ?
 
花笠:ドアの音は、「ガラガラガラ」だ!
 
峰岸:引・き・戸!! 小料理屋かよ! 分かったよぉ、「ガラガラガラ」!
 
花笠:お帰りなさいませ、ご主人!
 
峰岸:……「様」は!? 急に家臣みたいなメイドに出迎えられたよ!? この時点でちょっと怖いよ!?
 
花笠:それでは、ご主人を席まで案内させていただきます。こちらの岩にお掛けくださいませ。
 
峰岸:岩!? 岩っつったか今!? 山賊かよ! 椅子に座らせてよ!
 
花笠:本日ご主人様のお世話をさせて頂きます、虎殺しの花笠です。よろしくお願いします。
 
峰岸:メイドにあるまじき二つ名で自己紹介された! い、いやいや、ちょっと待ってよオトちゃん。
 
花笠:どうした? 寒かったら私の上着を貸してやろうか?
 
峰岸:そういう紳士的なとこ大好きだけどちょっと黙れ! いやいやそうじゃないの。あのね……そのメイドさん、怖いの。なんか……虎を殺してるし。
 
花笠:うむ……恐怖を感じさせてしまうか。それは問題だな……。
 
峰岸:何かね、私の思ってるメイド喫茶と違うんだ。何だろう、萌えが足りない。
 
花笠:萌え?
 
峰岸:メイドさんってさ、ドジっ子だったりとかさ、猫耳だったりしてさ。私はそういう可愛いメイドさんに接客されたいな。
 
花笠:成る程、勉強になるな。
 
峰岸:オトちゃんの喋り方も萌えっぽくないのよ。やっぱり語尾に「〜にゃん☆」みたいなの付けたりしてさ。キャラクター作りには語尾って大切だと思うよ。
 
花笠:相分かった、善処しようご主人!
 
峰岸:様つけないのは直んないんだね。
 
花笠:では、こちらお冷でございますパオ! 後で改めて御注文伺いに参りますゾウ!
 
峰岸:おーっと語尾に独特のアレンジ来たよ!? なぜ象をチョイスしたー!?
 
花笠:象は気は優しくて力持ちだ。だから大好きだ!
 
峰岸:うるさいよ! メイドにそんなドカベンみたいな要素いらないから!
 
花笠:そうなのか。では、このダンボの耳も駄目だろうか……?
 
峰岸:許さーん! 何だよダンボ耳! 飛ぶつもりかよ! もう象は良いから普通に接客して!
 
花笠:では、こちら、メニューで御座います。御注文をお伺いします。
 
峰岸:ありがとうございます。やっぱりメイド喫茶と言ったらオムライスだよね。じゃあオムライスとミルクコーヒーで!
 
花笠:畏まりました。少々お待ちくださいませご主人。(スタスタスタ)
 
峰岸:様さえつければ普通のメイドさんなんだけどなあ……。
 
花笠:(スタスタスタ)こちら、ミルクコーヒーでございガッシャーン! ああっと手を滑らせてミルクコーヒーをこぼしてしまった! 熱くなかったでしょうかご主人! すぐに台布巾でお掃除させていただきます!
 
峰岸:おおぉ、説明口調がすげえ。でも確かにドジっ子のところは出来てるよ! 一歩前進だねオトちゃん!
 
花笠:自分、不器用ですから……。
 
峰岸:そして三歩の後ずさりだ! オトちゃんの中の高倉健がひょっこりと顔を出して三歩の後ずさりだ! 男前!
 
花笠:お待たせしましたご主人、オムライスで御座います。
 
峰岸:おー、これを待ってたよ! それじゃあケチャップで可愛い絵をお願いね!
 
花笠:ケチャップ……トマトの汁で宜しいでしょうか?
 
峰岸:間違ってなさそうだけど間違ってないそれ!? え、何そのトマトの汁って。ケチャップじゃないんでしょ?
 
花笠:ああ。トマトを、こう、掌で潰すんだ。
 
峰岸:何食わせようとしてんのよ!? 筋肉自慢がリンゴとかでやるみたいなの!? いやいや、普通のケチャップ持ってきなさいよ。
 
花笠:成る程、ケチャップの瓶を掌で潰せば良いんだな?
 
峰岸:何でメイド喫茶なのに潰すと言う発想ばかり出てくるの!? 違うよ、ケチャップで何か絵を描いてほしいの。
 
花笠:ははあ、狩野探幽をだな?
 
峰岸:描けるもんなら描いてみろよ! ケチャップで狩野派の絵を描くメイドさんなんて聞いたこと無いわ! もういいよ、ハートの絵でも描いてよ。
 
花笠:よしよし、拷問や虐殺の絵を描けば良いんだな?
 
峰岸:ハードな絵じゃねえよ! 可愛いハートの絵だよ!
 
花笠:ご主人、花笠部屋障壁画青龍白虎図、描きあがりました。
 
峰岸:遂には壁いっぱいに竜虎をケチャップで描きあげやがった! もう何を聞いてんのよあんた!? どうして何かを成し遂げたような満足げな顔してんのよ!?
 
花笠:おや、ご主人。ラブラブステージタイムが始まりましたよ。一生懸命頑張りますので、しばらくの間私達メイドの歌とダンスでお楽しみ下さい。
 
峰岸:そうなの……? 今更ラブラブとか言われても全然テンション上がらないんだけど……。
 
花笠:みなさーん! ステージの上からこんにちはー! 竜殺しの花笠でーす!
 
峰岸:もう虎以上のものを殺してる!
 
花笠:それではご主人への想い、歌に乗せて伝えます! それでは聞いて下さい、相撲甚句で『あがるや』!
 
峰岸:両国設定が急に生きてきた!?
 
花笠:あぁー、どすこーい、どすこいっ! あぁあ〜! あがるやぁ〜軍配ぃ〜笑顔でェ〜受けるゥウゥ〜!
 
峰岸:何だこの状況!? メイド喫茶がいきなり女人禁制の神聖なる土俵の上になった! やったら男らしい! 微塵も可愛くない!
 
花笠:ありがとうございました! 私達メイドの想い、伝わったでしょうか! それでは続けて聞いて下さい、『若鷲の歌』!
 
峰岸:続いては軍歌かよ!? どうしてそう言う萌えからかけ離れた選曲ばかり披露すんのよ!?
 
花笠:♪わーかい血潮の予科練のォ〜、なーなつ釦は櫻にい〜か〜り〜!
 
峰岸:熱唱をするな! そして、もうそれは男らしいとかじゃなくただひたすらに間違っている……!!
 
花笠:いやー、どうだ峰岸。お客さんが沢山来てお金を稼げそうだろう? これで、峰岸に楽な生活をさせてやれるぞ!
 
峰岸:オトちゃんのそう言う献身的なところ大好きだけどもう良いよ! いい加減にしろ!
 
二人:ありがとうございましたー!


 

〜採点結果〜

最高 最低 標準偏差 お気に入り 採点人数 平 均
91 48 12.71
★★★★★★
10名 74.00



〜詳細〜


★=お気に入り
100  
   
  91★(水音ジュン)
90  
  87★(kenzip)
  82★(ザブマリン)・83★(六升)
80 80★(ジンガー)
   
  72(きょくにゃん)
70 70★(槍沢 雑)
  69(井島)
   
60  
  58(FAN)
   
50  
  48(ほしの)
   
40  
   
   
30  
   
   
20  
   
   
10  
   
   
0  
inserted by FC2 system