トリニトロトルエン

コント/天使と悪魔（仮）

吉本：交通事故で俺は死んだ。このことは身内とか親友が悲しんでくれるだろう。だが、問題は・・・お前は誰だ。
クロ：はい、なんでしょう。
吉本：なんでしょうじゃねーよ！お前は一体誰なんだよ！！
クロ：天使です。
吉本：天使？死んだやつを天国に連れてってくれるやつか。
クロ：はい。
吉本：じゃあ、ここで問い正そう。お前はなんで天国に連れて行く人を俺に決めた？
クロ：実は・・・悪魔が病欠して、悩める人間の心の中に住み着く悪魔がいなくなったからです。
吉本：は？じゃあ、それだけのために俺が葬られたのか！！？
クロ：はい。
吉本：真顔で言ってんじゃねーよ！！地上には俺の帰りを待っていたはずの家族がいるんだぞ！！？
クロ：そうかもしれません。ですが、人数が足りなくなったのでは仕事になりません。
吉本：それは、お前の都合だろ！！？じゃあ、悪魔の病気が治ったら地上に戻してくれるのか？
クロ：（ゴホン）だといいですね。
吉本：「だといいですね」じゃねーよ！！
クロ：戻りたいですか？
吉本：当たり前だろ！！
クロ：あれ？今夜も善と悪の狭間で悩んでいる人がやってきましたね。
吉本：こっちサイドは無視か！
クロ：すみません。
ユート：わっ！！なんスかあんたは！！
吉本：ちょっと待て！あの天使、天界と地上界の狭間を易易と乗り越えてったぞ！あれ？ということは、これを使えば地上に戻れるかも！！
クロ：（小声）ちょっと、ちょっと！お前も来いっ！！
吉本：（小声）わかりましたー。
クロ：で、あなたは何に悩んでいるんですか？
ユート：実は、この財布を拾ったんですけど、どうすればよろしいでしょうか。
クロ：警察持ってった方がいいんじゃないですか？
吉本：お前がそのまま持ってけ。
クロ：持ってったら捕まるぞ。
ユート：え？えーと・・・どうすれば・・・ゲッ！
小山内：お前、俺の財布パクったな！！さっさと返せ！
吉本：あいつが一番の悪魔じゃねーかよ！！
小山内：（追走中）で、お前は誰と話してたんだよ！！
ユート：（逃走中）天使だよ！！天使と悪魔と相談していたんだよ！！
小山内：（追走中）目の前に誰もいなかったじゃねーか！！
吉本：ちょっと待て、お前さっき地上の人間と普通に話せてたよな！
クロ：はい。ただ、姿は見えてませんでしたが。
吉本：で、別の人には声も聞こえていなかったみたいだが。
クロ：それが欠点で。お客様には声が聞こえるんですが、ほかの人には見えないんですよ。
吉本：結局基本路線に戻ってるじゃねーか！！
クロ：でも・・・。ほら、右手。
吉本：うおっ！！いつのまに財布が。
クロ：（クスス）
吉本：クススじゃねーよ。
讃岐：おい、クロ。何やってるんだ。
クロ：栄ちゃん、どうしたんだい？
讃岐：どうしたんだいって、風邪治ったんですけど。
クロ：治った・・・よかったね。
吉本：なんかめんどくさいのまた増えたー！！
讃岐：あれ？こいつ、新入り？
吉本：あんたが風邪ひいたからって無理やり交通事故で葬られて、天界に行って、スリの相手をして、このザマだよ！！
讃岐：ごめんなさい。でも、仮病です。
吉本：あんた仮病だったのかよ！！仮病だったら現場でろよ！！
小山内：（追走中）待ちやがれ！！このスリ野郎！！
吉本：で、あんたはスリまだ捕まえてなかったのかよ！！
小山内：で、この財布・・・俺のじゃねーか！！
吉本：いきなり天界と地上界の境がなくなるとか卑怯だぞおい！！
クロ：自己責任ですね・
讃岐：ですね。
吉本：（逃走中）お前らのせいだろオラ！！って・・・俺は無実ですよぉー！！
ユート：人助けもほどほどにね。
吉本：（逃走中）ひょっこりでてくるんじゃねーよ！！お前のせいだろ！！待ちやがれ！！真犯人！！
ユート：（逃走中）まあ、罪はかぶせることができたけどねー！！
吉本：（逃走・・・中？）オイゴラァー！！
小山内：（追走中）俺の財布ー！！