エバーグリーン

コント/番町皿屋敷



井島:いやー、ジェットコースター楽しかったね。じゃあ次はホテル行かない?
 
杏奈:下心むき出しじゃないの!このっ!このっ!(イチャイチャ)
 
井島:別に良いだろ!このっ!(イチャイチャ)
 
杏奈:ねぇ・・・次はお化け屋敷行かない?
 
井島:えー・・・・それはちょっと・・・
 
杏奈:いいじゃん行こうよー。・・・あ、それとも怖いの?
 
井島:怖くなんかないよ!でもさ最近気づいたんだけど・・・
お化け屋敷のお化けってさ・・・実はさ・・・
 
杏奈:何よ?そんなもったいぶっちゃって?
 
井島:全部、作り物なんだよ
 
杏奈:・・・・・・・・
 
井島:いや、俺もね、こんな夢をぶち壊すようなこと言いたくなかったよ?
でも最近気づいてしまったんだ・・・俺もこうして・・・大人になっていくんだな・・・
 
杏奈:・・・・・・
 
井島:どうやら驚いて声も出ないよう・・・
 
杏奈:ええ驚いたわよ!!あなたが今まで気づいてなかったことにね!
 
井島:え!?お前、とっくに気づいてたのか!?
 
杏奈:当たり前でしょ!
 
井島:じゃあ教えてくれたって良いじゃないか。全く人が悪いなこのっ!
 
杏奈:いやもうイチャイチャする気になれないわ!なぜならドン引きだもの!
 
井島:ホテル発言で引かれなかったからこの女なんでもアリだと思ってた・・・
 
杏奈:本人を前にそういう発言控えろし!デリカシーってご存知?
とにかく、お化け屋敷に行きましょう!
 
井島:おう・・・わかったよ・・・大人2人で1200円?・・・じゃあ割り勘で
 
杏奈:・・・さぁ、お化け屋敷に入ったわよ・・・・怖いわねぇ・・・今にも幽霊出そう
 
井島:(モッサモッサ)アンパン旨っ!
 
杏奈:マイペース過ぎるだろアンタ!
 
井島:こんなに旨いアンパンをぶん投げてるクソババアを殺してやりたい
 
杏奈:バタコさんだってやむなく投げてるんだから許してやれよ!
 
(ひゅーどろどろどろ)
 
杏奈:え!?なにこの音!?
 
幽霊:・・・・お皿が一枚・・・・お皿が二枚・・・・
 
井島:こんなところでお皿数えてる!場違い!
 
杏奈:いやあれも幽霊だから!
 
井島:あ!もしかしてお皿を9枚数えた後に
「あれ!?一枚足りない。うらめしやー」っていう奴!?
 
杏奈:何で全部言っちゃうのよ!台無しなんだけど!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:三枚目が一向に出てこないんだけど!あんたのせいで言いづらくなってるじゃない!
 
井島:いや、俺のせいじゃないだろ!
 
幽霊:・・・ネタバレされちゃったよー・・・・・・・・このまま普通にやったらまずいよなー・・・・・・・
三枚目ぐらいであれ?一枚足りない?って言おうかな・・・・・
でも、あの客「まだ皿あんじゃん」とか絶対ツッコんでくるからなー・・・・・
 
井島:・・・・ゴメン・・・やっぱ俺のせいだった・・・
 
杏奈:ってか全部話してること駄々漏れなんだけど。もう見てられないんだけど。
 
幽霊:・・・・・・・いい事考えた!皿を割ってうらめしやー!で完璧じゃね!?うわ俺マジ天才だわ!
 
井島:いや全部聞こえ・・・
 
杏奈:聞こえてないフリしよう!これ以上こんな姿見てられないから
 
井島:わ、わかった・・・
 
幽霊:あ、やっちゃったー、お皿割っちゃったー・・・(バリーン!)
 
井島:台詞言ってから割ってるけど・・・リアクションに困るんだけど
 
杏奈:もう演技でも良いから驚こう!棒読みだったけど驚こう!あまりにもかわいそう過ぎるから!
 
幽霊:うらめしゃ・・・・・
 
井島:コイツ噛みやがった!もう別の意味で驚きだよ!
 
杏奈:そこをなんとかこらえて!
 
幽霊:・・・・・・・
 
井島:う、わービックリしたー
 
杏奈:ほ、ほんとねービックリしたわー
 
幽霊:完全に失敗したなー・・・・・だって絶対びっくりしてないもん・・・・・・だってコイツらすげえ棒読みだったもん・・・・
 
井島:コイツにだけは棒読み指摘されたくないんだけど・・・
 
幽霊:あー・・・やっちゃったなー・・・
 
(幽霊、退場する)
 
井島:・・・とんだ茶番だったな
 
杏奈:あんたのネタバレから始まったんだけどね!
 
幽霊:はい・・・・・申し訳ございませんでした・・・
はい・・・・いややる気がないとかそういう・・・
 
井島:何か向こうで説教されてるっぽいのが聞こえるんだけど・・・もう帰ろうぜ・・・
 
杏奈:いや、まだ居ましょうよ!
 
幽霊:はい・・・すみませんでした・・・・・・・・・
ったくふざけんじゃねーよ!あー!マジだるいわこの仕事!死ねっ!
 
井島:うわ逆切れしてるよこわっ!お化け屋敷って怖いなー!やっと楽しさがわかったわー!
 
杏奈:・・・・・やっぱ帰ろっか?
 
井島:・・・・そうね・・・
 




(一週間後)
 






井島:今日はどこ行くー?やっぱホテルがいいかな?
 
杏奈:うわ・・・そういうこと言う男無理だわ・・・
 
井島:なんで!?先週はドン引きされなかったのに!
 
杏奈:ドン引きしとかないとなんでもアリな女だと思われるでしょ!
 
井島:お、おう・・・で、今日どこ行くか?
 
杏奈:今日もお化け屋敷いかない?
 
井島:えー!?この前失敗したばっかじゃん
 
杏奈:いや、今回はちゃんといいお化け屋敷を調べてきたから!
 
井島:本当!?
 
杏奈:本当よ!行ってみましょう!
 
井島:わかったよ・・・
 










杏奈:着いたわ!
 
井島:ここか・・・中に入ってみよう・・・二人で2000円?じゃあ割り勘で
 
杏奈:どう?先週行ったところより怖くない?
 
井島:(モッサモッサ)いやー、クロワッサン旨いわー
 
杏奈:だから空気読めっての!
 
井島:こんなに旨いクロワッサンをぶん投げてるクソババアをしばき倒したい
 
杏奈:・・・・・それは誰よ!
 
井島:昔近所に住んでたんだよ
 
杏奈:そりゃ知らないわ!知る由もなかったわ!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が一枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が二枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
井島:またこの類かよ!何!?トレンドなの!?
 
杏奈:前回みたいなネタバレしちゃダメよ・・・・・・・って何よこれ!!
 
井島:どうした!?
 
杏奈:足が・・・全く動かないの!!
 
井島:これってもしかして・・・・金縛り!?
 
杏奈:え!?こんなピンポイントな金縛りある!?
 
井島:じゃああの幽霊は・・・・・・・本物!?いやああああああああ!自称霊能者呼んでくる!
 
杏奈:おい!こら!逃げるな!ってか自称霊能者ってアンタそれトレンディな悪人じゃないの!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が三枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が四枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:うぎゃああああああ!!!どんどん私の死へのカウントダウンが!!
 
幽霊:数字増えてるけどな・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が五枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が六枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:うぎゃああああああ!!!冷静にツッコまれたー!!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が七枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が八枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:うぎゃああああああ!!!
悪霊退散悪霊退散悪霊退散悪霊って言っちゃってごめんなさい許してくださいただ私はあのクソ彼氏を許さないコンチクショー!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が九枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:杏奈たんの人生はもうすぐ終焉を迎えますが杏奈たんは決して悔やんでなどいません。なぜならこれも神様が決めたことなのですから
・・・・・・・・・うそだよーん!!杏奈たんホントは激カナシー!!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・
あれ?一枚足りない・・・・・・・・・・・・!
 
杏奈:出たー!杏奈たんにとっての死刑宣告出ちゃったー!
ちなみに杏奈たんワールドでは彼氏はもう死刑でーす!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いや、でも一回数えただけで決め付けるのは早計だよな。もう一回数えるか・・・・・・・・
 
杏奈:・・・・・・・え!?なんで!?この幽霊そんな慎重だった!?
・・・とりあえず杏奈たんなんか一命を取り留めたみたい!やっほーい!!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が一枚・・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が二枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:でも相変わらず足は動きませーん!杏奈たんが死んじゃうのも時間の問題でーす!
神様はどうしてこんなに杏奈たんにキビシーの!?杏奈たんみたいなキャワイイ子をいじめるのが好きなの!?
こめじるし!杏奈たんは無宗派でーす!!
 
幽霊:なんかあの女彼氏いなくなった途端豹変しすぎで怖いわ・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が三枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が四枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:なんか静かに毒吐かれたー!そうでーす!杏奈たんは普段人の前では隠しているけれど実際素だとこんな感じでーす!
でもこの性格うっかり知られた友達から吉高由里子みたいって言われちゃった!
ウレシー!かっこ笑い!かっこ笑い!
 
幽霊:人前でそんなんじゃないんだ・・・・でも今出してるよね
・・・・俺って人として見られてないのかな・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が五枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が六枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:いや!そういうことじゃないから!今は動揺して全部さらけ出してるだけだから!
 
(プルルルルル プルルルルル)
 
杏奈:あ!電話だ!もしもーし!?
 
井島:もしもし!?・・・ゴメン逃げちゃって・・・やっぱ心配になってさ、大丈夫か!?
 
杏奈:大丈夫じゃないよ杏奈たん怖かったー!助けてダーリン!杏奈たんを助けられるのはあなただけなのナイト様ー!
 
(プツッ プー プー)
 
杏奈:あ、切られた・・・・・・・・・・・やっちまったー!!最大のチャンスをものの見事に逃してしまったぞ杏奈たん!
彼氏の前でチャックよりも全開にしてはいけないものを全開にしてしまったー!!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が七枚・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が八枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:しょうがない!今度はこっちから電話をかけてみましょ!
 
(プルルルル プルルルル)
 
井島:もしもし?
 
杏奈:もしもし?
 
井島:・・・・・さっきのアレ、何?
 
杏奈:あ、あれは・・・・冗談よ。冗談。
 
井島:この状況であんな冗談言えるお前の方が幽霊より怖いんだけど!
 
杏奈:怖くないから杏奈た・・・私は!とにかく助けに来てよ!
 
井島:わ・・・わかった・・・・
 
(ピッ)
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・・・・・・
お皿が九枚・・・・・・・・・・・・・・・・
 
井島:おい!大丈夫か!?
 
杏奈:お、お願い助けて!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・
あれ、一枚足りない・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?
 
井島:もうここまで数えてたの!?ヤバイじゃん!
 
幽霊:・・・・・・・・・・・・まだ二回しか数えてないからな
・・・・・・・本当にないかはまだわからんな・・・・・・・・
・・・・・・・・お皿が一枚・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
杏奈:またかよ!さっきもこんな感じだったのよ!
 
井島:足りないことに薄々勘づいてはいるんだけどそれを認めたくないからだろうな
 
杏奈:呑気に解説なんかしてないでなんとかしてよ!
 
井島:おう、そうだった。おい!幽霊!お前が何度数えようと皿は一枚足りない!
 
杏奈:・・・・なんで言っちゃった!?なんでそれ言っちゃった!?自殺行為だよ!
 
幽霊:さ・・・・皿は・・・・ない?
 
井島:ああ。これやるからそのへんにしときな!
 
(パンの包み紙を幽霊に渡す)
 
杏奈:・・・コイツついに気が狂いやがった!幽霊に禁句を言った挙句ゴミ押し付けやがった!
 
井島:果たして本当にただのゴミかな?その包み紙をよく見てみろ
 
幽霊:・・・こ・・・これは!
 
井島:そう!
 


ヤ マ ザ キ 
 


春 の パ ン 祭 り の 
 


シ ー ル だ !
 


杏奈:・・・・・・・・しょうもねぇ!!それ集めて新しい皿補充しろってか!?
 
井島:せいぜい・・・たくさんパンを食べるこったな・・・
 
杏奈:こんなしょうもないことで何でそんなに格好つけられるのかはなはだ疑問だよ!
 
幽霊:・・・・・・・・・・(どんどん下半身から消えていく)
 
杏奈:?
 
幽霊:・・・・・・こんな優しい人に・・・・・・・・・・・・・出会えて・・・・・・・・・・・・・・よかっ・・・・・・(シールと共に消滅)
 
杏奈:き・・・消えた!・・・あれは・・・やっぱり本当に・・・
 
井島:そういえばさ
 
杏奈:なによ?
 
井島:今年ってお皿じゃなくて、小鉢の年じゃなかったっけ?
 
杏奈:・・・・・幽霊に同情するわ・・・
 












井島:よーし!これで今春十個目のパンだ!シールは何枚集まったかな?
 
一枚二枚三枚四枚五枚六枚七枚八枚九枚
 
・・・・あれ!?十個食べたはずなのに一枚足りない!・・・もう一回数えてみるか・・・
 
一枚二枚三枚四枚五枚六枚七枚八枚九枚
 
・・・・もう一回数えるか
 
一枚二枚三枚四枚・・・・
 
杏奈:何幽霊みたいなことやってんのよ!一枚幽霊にあげちゃったんでしょうが!
 
井島:・・・・恨めしやー
 
杏奈:もういいわ


 

〜採点結果〜

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11名 64.91



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